諸大名が居並ぶなかで、福島県・三春城主の秋田河内守という大名が突然腹痛を訴えられました。
正甫公がいつも持ち歩いている印籠から妙薬の「反魂丹(はんごんたん)」を取り出して勧めたところ、 たちまち腹痛が治まったのです。あまりの薬効の速さに驚いたのが、その場に居合わせた諸大名たちは、 「自分たちの国でも販売してもらえないだろうか?」と申し入れが相次ぎました。
他国との交流を嫌った藩政時代としては異例のこと。
これが300年の歴史を持つ医薬品配置販売業の起源とされています。
その300年前から継承される「先用後利」というものは、 読んで字のごとく「先に用いて頂き後で利をなす」という伝統的マーケティング手法です。
常備薬の入った薬箱を無料で各家庭やオフィスに配置し、1~3ヵ月毎に訪問した際に、 ご使用分だけ代金を頂戴するというものです。